下記のとおり、研究会のご案内をいたします。

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第三回いりあい・よりあい勉強会 <シリーズ:森と人、共生のかたちを探る>
“森を守り、コミュニティを豊かに”
インドネシア・ブトゥン山における社会林業の試みを中心に
話題提供: 島上 宗子 (いりあい・よりあい・まなびあいネットワーク[あいあいねっと])*1

■日時:2005年4月15日(金)
    19:00〜21:00
■場所:早稲田奉仕園スコットホール
  (2階222号室) [定員30名]
  東京都新宿区西早稲田2−3−1
(tel:03-3205-5411)
   ・高田馬場駅から都バス「早大正門行き」2つ目
    「西早稲田」下車徒歩2分
   ・地下鉄東西線「早稲田」駅下車徒歩5分           
    http://www.hoshien.or.jp/map.html

■資料代:500円
■問い合わせ:いりあい・よりあい・まなびあいネットワーク事務局
  ・Email:pm5m-nght@asahi-net.or.jp(長畑)
 (参加ご希望の方は事前にメールでご一報をお願いします。)
■要旨:

今回の発題者・島上宗子は、昨年夏以降、インドネシアのハリムン山、ブトゥン山などで森林管理に関連した調査に従事してきました*2。調査中、頻繁に耳にしたのが、“森を守り、住民を豊かに(Hutan Lestari, Masyarakat Sejahtera)”というフレーズです。インドネシアにおいても、森林地域から住民を排除し、警備することを森林政策の柱としていた時代は終わり、これからは森林保全と住民福祉の両立をはかる時代だ、との認識が急速に拡がりつつあるようでした。

 スマトラ島南端ランプン州に位置するブトゥン山は、1998年以来、インドネシア大学の人類学者らが住民・地元NGO・地元大学・関係政府機関とともに社会林業を進めるアクション・リサーチを展開し、インドネシアの社会林業の先駆例となった地域です。過去7年間、朝令暮改する社会林業政策、政府役人・職員の交替、住民グループ内の対立、援助機関の撤退などさまざまな困難に直面しながらも、住民グループにより植えられた木々が徐々に成長し、ブトゥン山は緑を回復しつつありました。

 第三回いりあい・よりあい勉強会では、発題者のブトゥン山での見聞を中心に、“森を守り、コミュニティを豊かに”をめざした実践の可能性と課題を考えてみたいと思います。特に、実践のプロセスの中での外部者(研究者、NGO、援助機関など)の役割に注目し、いりあい・よりあい・まなびあいネットワークがめざす「まなびあい」の意味・かたち・可能性について議論を深めたいと思います。

いりあい・よりあい・まなびあいネットワーク(あいあいネット)
コミュニティを基盤とした資源管理と自治に関心をもち調査研究・経験交流を進める、アジア・日本のNGO/NPO関係者、研究者、住民のネットワークです。2004年から活動を開始しました。トヨタ財団の研究助成をうけ、日本・インドネシア・インドを中心に、自然資源管理(いりあい)と住民自治(よりあい)に関する共同調査・経験交流(まなびあい)の活動を展開中です。

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*1: 島上宗子(しまがみもとこ)「いりあい・よりあい・まなびあいネットワーク」メンバー、「スラウェシ科研」研究協力者。2005年3月、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科を認定単位取得退学。地域の自治とは何かを考え、実践していくことをめざして活動中。主要論文として「地方分権化と村落自治−−タナ・トラジャ県における慣習復興の動きを中心として」(松井和久編『インドネシア地方分権化』アジア経済研究所、2003年)他。

*2:この調査は2005年2月に、林野庁の「地球環境研究総合推進費」の経費を利用しておこなわれました。http://www.env.go.jp/earth/suishinhi/