夜明け前@ランカイ島

昨日、8月30日、スラウェシ科研第2年度までの中間報告を兼ねたワークショップが開催されました。午前と午後とあわせて、総数 40名が参加し、うち25名が報告をおこないました。日本からの出席者は、田中耕司、水野広祐、岡本正明、浜元聡子(以上、京都大学東南アジア研究所)、松井和久(アジア経済研究所)、センカンの織物工芸についての調査に来られている広川晴美さん(恵泉女学園大学大学院修士課程)でした。うち、松井さんと浜元が口頭発表をおこないました。
まだ中間報告的な調査しかできていませんので、結果についての議論というよりは、方法論や調査対象の設定、接近法に関するコメント等々が多く出されました。今年度後半、今回のワークショップで得られたコメントをたたき台として、それぞれがさらに臨地調査に励む予定です。

先日の松井、浜元のスプルモンデ諸島調査は、たいへんよい天候の中、無事に終了しました。3泊4日の調査で、合計9つの島をまわりました。
コディンガレン島/バランチャディ島/ランカイ島/ランジュカン島/ルムルム島/ボネタンブン島/パンケップ県のバランロンポ島/浜元の調査地のバランロンポ島をまわりました。基本的な住環境や生態環境は少しずつことなりますが、極端な違いは原則的にありません。しかし、そこに住んでいる人の生活や考え方は、少しずつ異なります。その違いがいったいどこから出てくるのか、またそれでもなお、現在、島嶼部新郡設立の動きがあるなかで、どのような方向でまとまろうとしているのか、ひじょうに気になるところです。

田中さんは、本日、3月に学位を取得したAndiAmriくんとその学生と、松井さんと一緒に、シンジャイ県のアムリくんの調査地へ向かいました。帰路には、ASAFAS院生の高橋聖和くんが現在調査中の西シンジャイ県アラビカ村を訪れる予定です。浜元は9月3日までマカッサル市内の図書館にて、文献資料収集の予定で、その後、バランロンポ島での調査に従事する予定です。