下記の研究セミナーの案内が来ました。

第57回トランスナショナリティ研究セミナー

下記の内容で開催いたします。多くの方々のご参集を心よりお待ちしております。

大阪大学21世紀COEプログラム 
インターフェイスの人文学
トランスナショナリティ研究プロジェクト
トランスナショナリティ研究セミナー
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■ 第57回

境域とその変遷: サバ(マレーシア)における人の移動


■ 講師   

東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授
宮崎 恒二


■ 日時

2005年 7月 1日(金) 16:30-18:30


■ 会場

大阪大学大学院人間科学研究科(吹田キャンパス)
東館2階 ユメンヌホール (参加無料)

大阪大学大学院人間科学研究科(吹田キャンパス)への
交通アクセスについては、下記のHPをご参照ください。
http://www.hus.osaka-u.ac.jp


■ 講演要旨

人の移動は国家によって管理される部分が大きい。国家が境を接する境域は、移動の通過点であることから、その管理の影響を感じ取ることができる。サバは、インドネシア、マレーシア、フィリピンそしてブルネイが境を接する地域である。これらの地域は植民地化と国境の画定が比較的遅く、加えて海上交通が盛んなことから、人々の移動が現在にいたるまで比較的制限を受けにくい形で続いてきた。今日でも、度重なる警備と管理の強化にもかかわらず、不法入国者が絶えない。しかし、人の移動、とりわけ入域に関しては、現代とは理由は異なるものの、植民地体制下においてより厳格な管理が行われてきた。今回の発表においては、発表者がこれまで関わってきた境域における移動の問題群の中から、北ボルネオ会社時代のサバにおける労働者の問題を取り上げ、人の移動と国家の関係の一つの側面を探る。


■ 講師紹介

専門は文化人類学。1988年にレイデン大学社会科学部で博士号を取得。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助手、助教授を経て現職。2001年4月から2005年3月まで東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所所長を務める。インドネシアのジャワにおける王権や、マレー半島ボルネオ島北部における人の移動を人類学的見地から研究している。最近の編著にMaking of multi-cultural Sabah, Tokyo: Research Institute for Languages and Cultures of Asia and Afica (2002)、主な著作に"Culture Moves: Contemporary Migration in Southeast Asia" in Population Movement in Southeast Asia: Changing Identities and Strategies for Survival, Osaka: The Japan Center for Area Studies, National Museum of Ethnology (2000)、「移動と異同−ジャワ系マレー人と呪術」『社会人類学年報』26: 1-20 (2000年)などがある。

■ 問合せ先 

大阪大学大学院人間科学研究科 人類学研究室  
電話 06-6879-8085(直)
   06-6877-5111(代)
E-mail joshu@bunjin.hus.osaka-u.ac.jp