朝日

7月から8月にかけて、今年度のスラウェシ科研の活動がいよいよ本格的に開始されます。

先鋒は、Aziz Salamくん(愛媛大学大学院農学研究科)で、7月11日〜8月28日まで、マカッサル海峡スプルモンデ諸島における木造船の樹種の多様性についての調査に従事します。
7月13日〜8月21日は、遅沢克也さん(愛媛大学農学部助教授)がマカッサルへ向かいます。遅沢さんは、木造船を使った海洋研究をおこなってきた実績があります*1。平成14年度からの科研では、大型帆船チンタ・ラウト号Cinta Lautを、南スラウェシの伝統的船大工の村、タナ・ベルTanah Beruにて造船しました。チンタ・ラウト号は、日本の新聞でも大きく取り上げられましたので、ご存じのかたも多いかもしれません。
次いで、8月上旬には、赤嶺淳さん(名古屋市立大学・助教授)がナマコの調査、市川昌広さん(総合地球環境研究所・助教授)がボルネオ鉄木の調査に向かいます。
8月17日からは、松井和久さん(アジア経済研究所・参事)が地方分権下の自然資源利用に関する条例収集の調査、8月20日からは、浜元聡子さん(京都大学東南アジア研究所・教務補佐員)がスプルモンデ諸島南部地域における新郡設立をめぐる社会的動態の研究のために、それぞれ出発します。岡本正明さん(京都大学東南アジア研究所・助教授)、田中耕司さん(スラウェシ科研研究代表者:京都大学東南アジア研究所・教授)も、8月下旬にはマカッサルに向かいます。8月末日には、ハサヌディン大学において、国際ワークショップを開催する予定です。
科研も第二年度に入り、本格的に内容を絞っての研究活動を始める体制になりました。なんとか面白い研究成果が出せればよいなと思っています。

*1:『船を使った海域研究の拠点づくりとウォーレシア海域の生物資源利用・管理の動態』基盤研究(A):2002〜2004年。