10月2−3日にかけて、2005年度スラウェシ科研の研究進捗状況の報告および年度後半、来年度以降の調査研究に関する打ち合わせ会が、滋賀県・琵琶湖コンファレンスセンター(彦根市)において開かれました。
田中耕司(研究代表者・京都大学東南アジア研究所)からの確認事項として、

  1. スラウェシ科研は日本の研究者とハサヌディン大学(マカッサル市)の研究者が協力して臨地調査をおこない、日本のみならず、インドネシア側にも「スラウェシ地域研究」の基盤を作ることを目的としている、
  2. 地方分権下の社会・政治・経済・制度上の変容と自然資源管理の動態を手がかりとして、スラウェシ地域研究をおこなうことを目的とする、

ことが改めて提示されました。
現在、スラウェシ科研は、トラジャ班(山)とスプルモンデ班(海)のふたつの政治・生態環境からの視点で、地方分権化と自然資源管理の主題にアプローチしています。トラジャ班はインドネシア側の研究者の参加者も多く、多岐にわたった視点からの分析が多く出されています。それらの研究をどのような方向でまとめていくのかが、折り返し地点を過ぎた時点での課題となっています。一方、スプルモンデ班は、個々の研究者が収集したデータを、どのように研究の成果として書いていくかが話し合われました。日曜日の午後から始まり、月曜日の午後に京都に戻る電車の車中でも、白熱した議論が続きました。楽観的な結果ばかりではなく、もちろん、改善していくべきアプローチやさらなる臨地調査の必要も確認されました。あと一年半かけて、それぞれがどのような成果を最終的に出すか、青写真を描きながら、さらなる調査研究に従事していくことを、話し合いました。