celebes2005-11-01

写真はバランロンポ島にふたつあるモスクのうち、新しい方のモスクです。
スプルモンデ諸島では、2000年以降、モスクのすぐ隣にミナレットインドネシア語ではムナラmenara:塔、高い建物の意味)建設のブームがありました。それに合わせて、モスクの改築・修復等も盛んにおこなわれました。
バランロンポ島ではふたつのモスクのいずれもが、ほぼ同時期にミナレット建設に着手し、同時にモスク修復にも取りかかりました。
小さな島にふたつのモスクがあるのはなぜなのでしょうか。古い方のモスクは、島内のムラユ人集落の裏手に位置しています。このモスクは島嶼部地域では最古のものとされており、ゴワ王国やタッロ王国の歴史に登場するような人々の墓所(Shek Asagaf Yusuf)などが並ぶ墓地がモスクの裏手に広がります。Mesjid Nurul Yaquin が建設された当時、これほどまでに島の人口が増えるとは、誰も予想しなかったからなのでしょう。古い方のモスクは、比較的小さめです。
一方、新しいほうのモスクMesjid Nurul Mustaquin は、古い方の2倍近い広さがあります。もちろん、全島民3,700人を収容することはできませんが、広々とした前庭があります。なんとかなるものです。
ところで、ラマダン(断食月)明けの大祭の礼拝は、どこでおこなうのでしょうか。バランロンポ島の場合は、島の中央部にある広場に人が集まります。スプルモンデ諸島の島によっては、家屋が所狭しと建ちすぎて、空間というものがまったく存在しない島もあります*1。この場合は、満員になるまではモスクに人を入れ、残りは各自の家で礼拝をおこなうことになります。
明日の日没を迎えると、28日間にわたる断食月が明けます。

*1:ルムルム島、バランチャディ島など。