celebes2005-06-21

スラウェシ科研の研究協力者、浜元聡子さん(京都大学東南アジア研究所)の調査地、バランロンポ島を上空から撮影した写真です。
写真の右手が北。49haの面積に3,700人、約700世帯が住んでいます。隆起サンゴ礁の島は、もっとも高いところで海抜1メートル。家屋の一部は、もとは浜辺であったところを埋め立てしたところに建てられています。島の東側(写真の下辺方向)だけに、比較的大きな船を接岸するための水路があります。この水路の背後にカンポン・チナ(華人商人集落)とカンポン・ムラユ*1が拓かれました。今でも、インチェ・○○さん*2、ノナ・△△さん、ババ・××さん*3、と呼びあう声が聞かれます。

*1:1511年のマラッカ王国陥落とともに、南スラウェシのゴワ王国、タッロ王国へ移住してきたムラユ商人やアラブ商人が、王の庇護の下に商業活動の基盤を島嶼部に得たとのこと。

*2:ムラユの末裔。インチェはマレー語のEncikの訛ったもの。本来は男性に対する敬称であるが、島では男女ともに使う。既婚の親族女性に対しては、ボンダBonda(オバさん)を使うことも多い。

*3:ノナはインドネシア語では未婚女性に使われる呼称だが、南スラウェシ地域では、とくに華人系女性に対して使われる。「あの人はノナだ」の意味は、華人の子孫であることを意味する。ババは華人系の男性に対する呼称。