スラウェシの風景

一昨日、3月31日は、イスラーム暦では預言者ナビ・ムハマッドの生誕日、マウリッドでした。 南スラウェシでは、自分が礼拝に行くモスクに、供え物を持って行きます。スプルモンデ諸島では、5リットルから10リットルくらいの大きさのプラスチックのバケツ一杯…

昨年の10月、今年の1月と、二段階にわたってBBM(石油燃料)が値上げされたインドネシア。最初の値上げで180%近くも価格が上昇したことにより、離島部の漁村などでは、一日の漁獲による純利益が、燃料費と釣り合わないという事態が続出しました。ちょうど断…

以前にこちら(id:celebes:20050615)で、田中耕司が紹介していますが、南スラウェシのブギス−マカッサルの高床式住居は、家ごと別の場所へ引っ越しをすることがあります。 今日の写真は、3月のトラジャワークショップに向かうために、パンカジェネおよび島…

マカッサルを拠点として、周辺の地方都市に向かう場合、いろいろな交通手段が考えられます。スラウェシ科研では、まとまった人数がみんなで一緒に調査へ出かける際には、船や車を借り上げることがよくあります。船の場合は、遅沢の「チンタラウト」号を使う…

昨日に続き、南スラウェシ州テンペ湖の風景です。暑いので、せめて水場の写真に涼を求めたいところです。(写真撮影:浜元聡子) 写真の家屋は、以前にも紹介したように、乾季には水位が下がる湖岸から、水深がある湖の中央部へ家屋を引っ張って来ることがで…

写真は2000年8月、南スラウェシ州テンペ湖で撮影したものです(写真撮影:浜元聡子)。 テンペ湖は、ソッペン県、ワジョ県、そしてシデンレン・ラッパン県(シドラップ県)の県境に広がる湖です。雨季と乾季では、汀線の位置が異なるため、水域の広さも拡大…

南スラウェシ州では、儀礼の際にかならず準備されるお菓子があります。 オンバッ・オンバッ モチ米の粉を水で練って団子にしたものをウズラの卵ふたつ分くらいの大きさにします。色と香り付けには、パンダン(Pandanus tectorius、タコノキ科タコノキ属アダ…

先日の台風以来、京都の暑さも少しだけ和らいだのか、明け方はようやくしのぎやすい温度に落ち着いてきたようです。 インドネシアは赤道直下に位置し、とても暑い国だと思われがちです。実際、日中の気温は30度以上になることが当たり前ですが、どのような場…

写真は、ワサビノキ(Moringa oleifera)の果実です。マカッサル語では、ケロロ。2004年12月に、バランロンポ島で撮影されました(写真撮影:浜元聡子)。 ワサビノキは、その根元部分がホースラディッシュの代用として食される、と『有用植物事典』(ISBN:4…

写真は2004年12月にバランロンポ島で撮影されたものです(写真撮影:浜元聡子)。 ダニアルくんの身長とほぼおなじ長さのサカナは、サメです。フカヒレを切りとって、売るためのもの。中華料理に欠かせない高級食材です。島で丁寧に日干し乾燥させたフカヒレ…

写真は、2005年1月にスプルモンデ諸島バランロンポ島の桟橋で撮影されたものです(写真撮影:浜元聡子)。 男の子の足下に並べられている「物体」は、マカッサル海峡の水深20メートルほどの海底に棲息していたナマコです。とても大きいのですが、商品価値は…

スラウェシ科研の研究協力者、浜元聡子さん(京都大学東南アジア研究所)の調査地、バランロンポ島を上空から撮影した写真です。 写真の右手が北。49haの面積に3,700人、約700世帯が住んでいます。隆起サンゴ礁の島は、もっとも高いところで海抜1メートル。…

今日の散文は、浜元聡子さん(京都大学東南アジア研究所→id:celebes:20050413#20050413f1)が書いています。浜元さんは、いつもは野菜や豆腐をおみやげにしていますが、たまには高級なお菓子やファースト・フードを買うこともあるようです(写真撮影:浜元聡…

今日の散文は、スラウェシ科研の研究代表者、田中耕司さんが書いています*1。田中さんは1970年代半ばに、南スラウェシ州ボネ湾の最深部、現在の北ルウ県ウォトゥWotuにおいて、国内移住政策により移り住んできた人々の水田農業と土地利用について調査に従事…

写真は、2000年に南スラウェシ州テンペ湖にて撮影されたものです(写真撮影:浜元聡子)。今日の散文は、浜元聡子さん(京都大学東南アジア研究所)が書いています。■テンペ湖の浮き家東南アジア島嶼部地域の沿岸部に、水上集落が広がる風景を見ることがある…

写真は1999年10月に撮影したものです。南スラウェシのブギス−マカッサルの結婚式では、マカッサル語でコロンティギと呼ばれる儀礼が前夜におこなわれます*1。二部構成の儀礼のうち、第一部のタマット・ムンガジをおこなっている場面を撮影しました(写真撮影…

写真は、2004年12月に、マカッサル海峡スプルモンデ諸島南部のコディンガレン島Kodinggarengで撮影したものです。マカッサル海峡地域の南部には、コディンガレン島のほか、バランロンポ島、バランチャディ島などに、華人墓地が残されていたとのこと。このう…

Lobster Bambu(タケ・ロブスター)とマカッサル海峡地域では呼ばれる大きなロブスターです。動かないように脚を紐で固定され、殻にキズがつかないようにして、出荷されます。素潜りでロブスターを捕まえるのは、生粋の漁村の人です。島に戻り、浜の仲買人に…

こちらで(http://blog.melma.com/00131162/)、新進気鋭のダンドゥット歌手イヌールの来日公演の案内が紹介されています。 http://blog.melma.com/00131162/20050528204035 南スラウェシの田園地帯では、結婚式といえば、オルケス・ムラユが呼ばれます。オ…

2002年のイドゥル・アドゥハ(イスラーム暦の犠牲祭)の頃、マカッサルで上映されていた映画、Ca Bau Kan のポスターです。この写真を撮ったのは、マカッサル市の旧市街地で、今でも華人系が多く住む地区でした。Jalan Sangir とJalan Timorの間のどこかだっ…

今日の散文は、スラウェシ科研研究協力者の浜元聡子さんが書いています。 ■10年目の誕生日 南スラウェシ州マカッサル海峡沖合いの小さな島でフィールドワークをするようになってから、ちょうど10年になる。日本とインドネシアを何度も行ったり来たりして…

今日の散文は、楠田健太さん*1が書いています。楠田さんは、マカッサルを本拠地とする南スラウェシ州代表のサッカーチームをめぐるスポーツ政治学(社会学なのかもしれません)の研究に従事しています。マカッサル市中を拠点として修士論文のための調査をお…

今日はスラウェシ科研・研究協力者の浜元聡子さんの散文です*1。浜元さんはマカッサル海峡の小さな隆起サンゴ礁の島に住み込み、すっかり陸の生活から遠ざかってしまった経験があります。たまに陸に上がると、なにもかも珍しくて仕方がなかったある日のでき…

このカテゴリーでは、「スラウェシ科研」のメンバーによる散文を紹介しています。第一回目は、研究分担者・岡本正明さんから寄せられました*1。岡本さんは、南スラウェシ州の主要な人口を構成するブギス−マカッサルの人びとに混じり、地方行政・地方政治の最…