南スラウェシ州の主要な輸出品目である、ハタ(スズキ目ハタ科の総称)です。手釣りあるいは潜水漁によって得られたハタは、近隣のシンガポールや香港、台湾などへ、活魚として空輸されます。写真はマカッサル市内パオテレ港に隣接したハタの出荷場での一コマです。
ハタはウロコにキズがないかどうかチェックされ、大きさや重さが計量されたあと、耳の中から寄生虫を掻き出され、最後に仮死状態にするための注射を打たれます。大きめのプラスチックの袋に2,3尾ずつ入れられて、発泡スチロール製の箱に詰められて、空を飛ぶ準備をします。


こちらの写真は、ハタ漁が盛んな漁村の風景です。8月17日のインドネシア独立記念日に備えて、ハタ漁師さんが個人でハタの模型を作りました。夜になると、電飾がちかちかと光ります。

ハタはたいへんおいしいサカナですが、その漁法がサンゴ礁域の生態環境を破壊する可能性があると指摘されています。魚毒を使った漁がおこなわれるからです。現在では、魚毒漁は全面的に禁止されていますが、完全に取り締まることもむずかしいのです。地方分権の時代における持続的な自然資源利用を目指して、地方行政や行政村、そして研究者やNGOなどが協力しあって、さまざまな意見を出し合っているところです。自然資源は保護されるだけでなく、上手に利用されることもできるはずだからです。
(写真撮影:浜元聡子)