celebes2005-07-29

先日の台風以来、京都の暑さも少しだけ和らいだのか、明け方はようやくしのぎやすい温度に落ち着いてきたようです。
インドネシアは赤道直下に位置し、とても暑い国だと思われがちです。実際、日中の気温は30度以上になることが当たり前ですが、どのような場所にいるかによっては、それほど不快な暑さではありません。都会のビルのオフィスやショッピングモールなどでは、空調が効きすぎていて、寒いくらいに感じることがよくあります。一方、木陰や高床式家屋の床下などは、風が通るので、昼寝の場所としてはこれほどふさわしい場所もありません。
写真は、南スラウェシ州マロス県バロシ村の家です。マングローブ林が両岸に生い茂り、汽水帯をうねりながら流れる川の支流に入っていくと、サバヒイ*1やエビ、カニなどの混合養殖池が広がる田園地帯が見えてきます。以前は水田が多かったのですが、近年では、人件費がより押さえられ、収量が天候に左右されにくい養殖に転換する土地が増えてきました。
6月のある日、この家でおこなわれた結婚式に招待されました。その翌朝、5時半ごろの写真です。さわやかな朝でした。結婚式のごちそうには、もちろんのこと、家の前に広がる養魚池で収穫された新鮮なサバヒイが供されました。きれいな装いをした人々が、池に落ちないように畦道を歩いているのが、遠くの方に見えました。(写真撮影:浜元聡子)

*1:Chanos chanos (Forsskal, 1775)。英語ではミルクフィッシュ、インドネシア語ではイカン・バンデン、イカン・ボル。小骨の多い養殖魚であるが、焼き魚にするとたいへん美味。