celebes2005-10-10

ある日のバランロンポ島の昼食です。
12時の位置から時計回りに、

  • ウミブドウ(Caulerpa lentillifera J. Agardh)
  • ナンカ(パラミツ)の若い実のココナツ・ミルク煮(サユール・ロデ)
  • サンバル(トウガラシ・トマト・アカワケギ・レモン・エビペーストなどをつかった辛み調味料)
  • パラペ・チャカラン(小さいカツオをタマリンドで下味をつけて揚げて、アカワケギ・シロコショウ・ニンニク・エビペーストをすり潰したソースに絡めて炒めたもの)
  • ゴレン・チャカラン(小さいカツオをタマリンドで下味をつけて揚げたもの)

です。
ゴレンgorengとは、インドネシア語では「揚げる」という意味。日本でも知られるようになったナシ・ゴレンは、炒飯のことですが、なぜかゴレンを使いますね。この場合はなぜゴレンとなるのでしょうか。
漁村の食卓だからといって、いつもサカナがあるわけではありません。商業的に価値があるサカナを獲ることに特化している漁師の人がおおいため、獲れたサカナは島で消費されることはほとんどありません。ほぼすべて、マカッサルの魚市場へ卸されます。カツオは、一旦、島の漁船によって漁獲されたあと、魚市場へ出荷されます。それを、小売りの魚売りの船が仕入れるのです。そのため、島の近くで獲れた魚であっても、すでに輸送費が上乗せされ、街で買うよりも高くなることもあります。
写真のサンバルは、サカナを食べるときには欠かせない調味料です。サカナがないときには、これだけで白ごはんを食べることもあります。
長年、島の家族と一緒に暮らしてきたので、今ではサンバル作りは、私の担当となっています。このサンバルも私が作りました。家族に、「おいしいから、おまえが作れ」と上手におだてられるので、どんなに疲れていても、昼食と夕食の際にはサンバルを作っています。
(浜元聡子:京都大学東南アジア研究所)