大ナマコ

写真は、2005年1月にスプルモンデ諸島バランロンポ島の桟橋で撮影されたものです(写真撮影:浜元聡子)。
男の子の足下に並べられている「物体」は、マカッサル海峡の水深20メートルほどの海底に棲息していたナマコです。とても大きいのですが、商品価値はほとんどありません。まさに二束三文で、取引される対象です。この日、三匹の大ナマコのお値段は、全部で15,000ルピアでした。たとえばマカッサル市内のフライド・チキン屋さんで、ライス+チキンのモモかムネを一切れ+ドリンクを頼んだときの料金に相当します。
男の子のお父さんは、ジョロロという全長12メートルほどの木造ボートにコンプレッサー*1を積み込んで、毎日、出漁する漁師さんです。写真のナマコとは違う種類の、もっと高く取引されるナマコを探すのです。あるいは、スズキ目ハタ科のサカナを捕まえるか。写真のジャマルディンくんは、今はボートの上でコンプレッサーの見張り番をしているのですが、もう何年かすれば、お父さんのように潜水漁をおこなう海の男になるのでしょう。

*1:潜水中の人に空気を送るための機械。スキューバ・ダイビングのようなレギュレーターを口に銜えて潜る。