celebes2006-10-02

断食月に入って9日目のマカッサルからです。
初日は日曜日ということもあって、市街地の主要な商店はすべて閉店。わずかに華人インドネシア人が営む商店のみが、狭く扉を開けていました。こんなに静かなマカッサルの街をみたのは、初めてのことです。これまで、断食月に島にいたことはあるのですが、街にいたことがありませんでした。車もペテペテも、そしてベチャもいない街は、案外と美しい街並みでした。オランダ時代の名残をこんなにも強く感じたのは、初めてのことでした。旧市街地の南側の住宅地は、道幅も広く、両側には大きな街路樹が静かな木陰を落としていました。
ウィサタ・イン近くの華人が営むチョト・マカッサル屋は、いまだかつてこれほど人が入っているのをみたことがないくらいの人が集まっています。こっそりと、断食月初日からチョトを食べてしまいました。その後は、プチ断食あるいはプチ・ダイエットのように、日中、外ではまったく飲み食いせずに、ホテルに戻ってからマグリブ(日没の礼拝)を待って、冷たい飲み物を飲みます。誰に強制されたわけでもないのですが、不思議なものです。
さて、来る11月9日、スラウェシ科研の中のスプルモンデ班のワークショップが開催されます。詳細な予定は、世界を先導する総合的地域研究拠点の形成 ASAFAS/CSEAS 21世紀COEプログラムからどうぞ。

ランカイ島沖合

スラウェシ科研最終年度のワークショップが、おこなわれました。前回3月のトラジャ・ワークショップと同様に、アカデミアからの参加者だけではなく、スプルモンデ諸島の島々から住民の方々をお招きして、和気藹々とした議論の場を持つことができました。
当日のプログラムの詳細は、後日、本サイトのほうに掲載いたします。当日は、マカッサル市ウジュンタナ郡に所属するコディンガレン島、ランカイ島、バランチャディ島そしてバランロンポ島から、合計20名の方々が参加してくださいました。スプルモンデ班からは、地域漁業や地域社会の動態についての発表がありましたが、これに対して、島嶼部の住民であるみなさんからは、さまざまな問題の指摘や視点のずれに対する言及がありました。日本からは、田中耕司(京大地域研)、岡本正明、浜元聡子(以上京大東南アジア研究所)、松井和久(アジア経済研究所)、山田勇立命館アジア太平洋大学客員教授)、小野林太郎(国立民族学博物館)が出席いたしました。
翌24日からは、一泊二日の航路で、チンタラウト号を使ったエクスカージョンがありました。バランチャディ島、ランカイ島(ここでチンタラウト号上で宿泊)、ルムルム島、サラッポロンポ島、バランロンポ島(田中先生は船上で待機)を回りました。写真はランカイ島で停泊しているチンタラウト号です(写真撮影:浜元聡子)。スラウェシ科研は今年度で終了しますが、スラウェシ地域研究への取り組みは、今後も、メンバーそれぞれのアプローチで続いていくことだと思います。科研プロジェクトの終了まであと半年。最後のスラウェシ科研調査に出るのは、10月下旬の赤嶺淳と長津一史です。さてどんな調査結果を持って帰ってくるのでしょうか。その後は、科研報告書ならびにスラウェシ地域研究の成果出版に向けて、各自、執筆体制に入る予定です。

celebes2006-08-11

マカッサルに滞在中です。こちらに来る前に、ジャカルタを経由しました。ジャカルタでは、以前、集団スリに囲まれて以来、すっかり足が遠のいていたコタ周辺を歩いてきました。京都大学東南アジア研究所のジャカルタ連絡事務所があるクバヨラン・バルから、ブロックMに、一旦、向かいます。昔、ミニバスのターミナルがあった地下空間に、小さな雑貨商店がならぶモールが出来ています。この奥に、トランス・ジャカルタのブロックM駅があります。一回の乗車は、3,500ルピア。始発なので、椅子に座って、外の景色を眺めながら、コタに向かいました。といっても、椅子の高さと窓の位置が微妙なため、外を見るのはなかなかむずかしものでした。この乗り物は、スディルマン通りやタムリン通りの車線のうち、ちょうど真ん中の対抗二車線を、トランス・ジャカルタのバス専用のレーンにしたものです。そう、トランス・ジャカルタとは、ごく普通のバスなのです。バスはほぼ5分おきに運行しており、乗員がいますので、詰め込み過ぎないように、注意もされています。ジャカルタではバスでの怖い経験を経て、タクシーにしか乗らないようにしていましたが、これは実に、安全そうな乗り物に見えました。
久方ぶりのコタでは、定番の観光スポットを隈無く回りましたが、一番の収穫は、昨年、開館したというMuseum Bank Mandiriでしょうか。オランダ植民地時代の建築物であるこの銀行の建物の、本当にすべての部屋、すべての廊下、すべての空間が、博物館として開放されています。また、タイプライター、刻印、コピー機などが時代ごとに並べられており、技術と時代の変化が一目でわかるようになっています。
建築の意匠もすばらしく、中央階段のステンドグラスや二階回廊の幾何学模様の扉など、植民地時代の建築に関心がある人には、たいへん楽しい場所でしょう。銀行の深層部への道のりは、一人だと、多少、背筋がぞくりとするものを感じます。複雑な場所にある大型金庫、個人の貸金庫なども、ひんやりとした地階に展示されていました。チーク材モダニズムの香りのするタイルを張った壁、中庭を見下ろす回廊の構造が、騒々しいコタ駅の前にあって、不思議な落ち着きを醸し出していました。空調は基本的にはいっておらず、窓が開放されていますので、外の賑わいは、内部まで聞こえてきますが、ちょうど昼食後だったこともありました。頭取室の安楽椅子で、しばらく昼寝を楽しみました。さて、その間、どれくらいの人が出入りしたことでしょうか。それにしても、2,000ルピアでこれだけ満足できる博物館に出会ったのは、久しぶりのことでした。
コタからの帰路、ホテル・インドネシアを少し過ぎたあたりで、反イスラエルの大規模デモに出逢いました。トランス・ジャカルタのレーンはもちろんのこと、スディルマン通りは北行き、南行きともに、全面的に交通がストップ。わたしもすぐにバスを降りて、デモの様子を眺めました。小さな子どもが、両親に連れられて大勢参加しているのが、ひじょうに印象的でした。
さて、ところ変わって、マカッサルです。
スラウェシ科研の最後のワークショップが8月23日に予定されています。このあと、24日から一泊二日の予定で、チンタラウト号を使ったスプルモンデ諸島へのエクスカージョンがあります。乗員に余裕がありますので、エクスカージョンにだけ参加したいという方は、ご一報、ください。連絡先は、インドネシアの浜元の携帯まで(+62-813-847-66251)。カランラン島、サラッポ島などを回る予定です。

celebes2006-07-07

今年度最初の「スラウェシ研究会」のお知らせです。事前の申し込み等は不要です。みなさまのお越しをお待ちしております。
なお、研究会終了後、午後4時半より「ジャワ地震ワークショップ−現地報告とジャワの復興に向けての活動」が開催されます。会場は同じです。

「スラウェシ研究会」

2006年7月14日(金) 午後1時半より 
京都大学東南アジア研究所 東棟二階 E207

13:30〜14:45
インドネシアでの開発と媒介病研究余話‐スラウェシを中心に」
茂木幹義(もぎ・もとよし)さん (元佐賀医科大学教員)

(15分間休憩)

15:00〜16:00
スプルモンデ諸島研究班の活動報告
「<しま影>と<しま模様>の海−地方分権下の海域社会研究」

浜元聡子(京都大学東南アジア研究所)

こちら経由で、知りました。

スラウェシ・ビジネス・セミナー @UNIDO 国連 工業開発機関
UNIDO 投資ニュースレター
投資促進専門官プログラム

インドネシアスラウェシ島
6月27日(火)から7月21日(金)の予定で、南スラウェシ州振興・投資局協力課長のヨス・ハルメン氏を投資促進官として招聘中です。ハルメン氏は、南スラウェシ州地域開発計画局での勤務を経て、2002年より振興・投資局にて投資誘致政策の立案並びに投資家へのサービス提供に従事しています。滞日中は、日本企業との個別面談や東京で開催されるセミナー(下記参照)にてスラウェシ州のビジネス環境、とりわけ海水産物、木材、カカオ、ココナツ、コーンに代表される農産品加工セクターについて紹介します。スラウェシでの事業展開に関心のある方、同氏との面談を希望される方は担当までご連絡下さい。

スラウェシ・ビジネス・セミナー
来る7月19日(水)、「スラウェシ・ビジネス・セミナー」を下記要領にて開催します。参加ご希望の方は、下段申込書にご記入の上、7月14日(金)までに FAXにて、お申込み下さい。 日 時 : 2006年7月19日(水) 午後2時30分〜4時30分
場 所 : JICA国際協力総合研修所 2階会議室 (JR/地下鉄 「市ヶ谷駅」6番出口徒歩10分)
東京都新宿区市ヶ谷本村町10-5  TEL: 03-3269-2911
主 催 : 在京インドネシア大使館、国際機関 日本アセアンセンター、UNIDO東京事務所
内 容 : - インドネシア臨時大使講演 「インドネシアの経済・投資の現状」

  • ヨス・ハルメン氏講演 「スラウェシでのビジネスの可能性」 
  • スラウェシ進出日系企業による体験談

言 語 : 日本語・インドネシア語逐次通訳
参加費 : 無料
その他 : セミナーに引き続き、4時30分よりレセプションを予定しています。是非ご参加下さい。

スラウェシ・ビジネス・セミナー
http://www.unido.or.jp/newsletter-j.htm

UNIDO 国連 工業開発機関
http://www.unido.or.jp/index.html

celebes2006-07-05

本日は、スラウェシ科研のメンバーのうち、岡本正明・浜元聡子(以上、京都大学東南アジア研究所)、島上宗子(いりあい・よりあい・まなびあいネットワーク/京都大学地域研)が関わっている「ジャワ震災復興支援活動」(京都大学東南アジア研究所有志一同)のワークショップをお知らせいたします。
今日の写真は、バントゥル県カソンガン郡の陶器製の装飾品やみやげ物を製造直販する商店が並ぶ一画。この地区の陶器製品の70%が、イタリアに輸出されるとのことです。現在のところ、店内ならびに商品をストックしている倉庫ともに大きな被害を受けたところが多く、当面、製造の再開は目処が立っていないということでした。

ジャワ地震ワークショップ−現地報告とジャワの復興に向けての活動」

日時:
2006年7月14日(金)
午後4時半〜6時半

場所:
京都大学東南アジア研究所 東棟2階 E207

話題提供者:
浜元聡子(東南研) 「現地報告」
岡本正明(東南研) 「マクロの視点:中央政府・地方行政の対応」
島上宗子(地域研) 「ミクロの視点:『組織する力』から見るジャワ農村の復
          興」

続きを読む

各地でさまざまな催しが企画されています。いろいろな形の支援がありますね。ジャワ島の豊かな文化や歴史、社会を伝えることで、震災の被災地という印象以上の理解が深まるのでしょう。
下記の情報はすべてこちら(exblog ガドガド)からです。

ジャワ文化の夕べ 美しのジョクジャカルタ : exblog ガドガド
ジャワ文化の夕べ 美しのジョクジャカルタ



日時2006/7/1(土)16:00-18:00(開場15:30)
場所:南山大学名古屋キャンパスM1教室 

プログラム
1.ガムラン【演奏指導・解説 風間純子(中京女子大学助教授)】
2.ジョクジャカルタの歴史と文化(スライド上映)【小林寧子(南山大学教授)】
3.ジャワ宮廷舞踊ジョクジャカルタ式【采女直子(舞踊家)】
4.スンダ(西ジャワ)伝統舞踊【Rike Edyana Supit(舞踊家)】
5.ジャワ歌謡【インドネシア留学生協会中部支部
展示:バティック、バティック工具、ワヤン人形など (ガムランを試してみることもできます)

「ジャワ文化の夕べ〜美しのジョクジャカルタ〜」について
5月下旬に地震被災に見舞われたインドネシアジャワ島のジョクジャカルタは「ジャワの心臓」とも言われるジャワ伝統文化の中心地です。この地域は人類の遺産ともいうべき質の高い豊かな文化があります。このジャワ文化を紹介するべくこのイベントを企画しました。
多数の来場をお待ちします。

南山大学国語学部 アジア学科ホームページ
http://www.nanzan-u.ac.jp/GAIKOKUGO/Asia/

http://gadogado.exblog.jp/3786074/
ジャワ島地震報道写真展★緊急開催のお知らせ

JJN(ジャパン・ジャワ・ネット)とインドネシア文化宮(GBI)から届いたお知らせです。

ジャワ島地震報道写真展★緊急開催のお知らせ

JJN(ジャパン・ジャワ・ネット)とインドネシア文化宮(GBI)は、インドネシアのアンタラ(ANTARA)国営通信社と共催でジャワ島中部地震の被災状況を伝える報道写真展を実施します。
 2006年5月27日に発生した、古都ジョグジャカルタの南方を震源とする大災害も、日本を含めたインドネシア国内外の迅速な緊急支援の結果、徐々にではありますが、復旧・復興への槌音が聞こえてくるようになりました。しかし、先のスマトラ島沖巨大地震津波被害もそうですが、真の復興までには相当な時間を要します。
 JJNでは、主に、遺跡群の修復など、文化面での支援を継続的に実施していこうと考えています。

【名称】 ジャワ地震報道写真展(Pameran Foto Jurnalistik Bencana Gempa Bumi Jawa )
【主催】 JJN(Japan Jawa Net) & ANTARA国営通信社 & インドネシア文化宮(GBI)
【期間】2006年6月24日(土)〜7月22日(土) 11:00-18:00
(但し、日・祝日並びに6-7月の第1&第3土曜日、雨天時はお休みさせていただきます)
【場所】 インドネシア文化宮(JR高田馬場駅より徒歩約6分)
【展示作品】 約60

【備考1】開催中の『アロール島児童絵画展』は規模を縮小して実施中です
【備考2】東京以外の地域で、写真展の開催を希望する団体・個人に対しては、GBIが写真を実費で貸し出しますので

ご希望の方はメールでお問い合わせください。
【問い合わせ先】okawa@mxg.mesh.ne.jp

インドネシア文化宮(GBI)
http://www.harapan.co.jp/Indonesia/GBI/GBI_index.htm

http://gadogado.exblog.jp/3783636/
コンサート:J4J (Jazz 4 Jogja&Jateng): A Charity Concert"

Kompas(6/22)に出ていた、ジャワ島中部地震のチャリティーコンサートです。
50人のジャズ音楽家が出演。

J4J (Jazz 4 Jogja&Jateng): A Charity Concert"
会場:Graha Bhakti Budaya, Taman Ismail Marzuki
日時:Kamis (22/6) dan Jumat (23/6) malam

出演者:
Krakatau, Indra Lesmana, Ireng Maulana, Glen Fredly, Margie Segers, Donny Suhendra, Gilang Ramadhan, I Wayan Balawan, dan Rieka Roesla

主催する Dwiki Dharmawan は

Selain untuk mengumpulkan dana, Dwiki juga berharap acara tersebut menjadi ajang interaksi dan dialog antargenerasi jazz di Indonesia. "Mumpung hampir semua musisi jazz berkumpul, saya mengharapkan ada kolaborasi antargenerasi musisi jazz. Supaya tidak terjadi gap yang terlalu lebar antara musisi senior dan yang masih pemula," papar Dwiki di Jakarta hari Senin (19/6) lalu.



Dwiki Gelar Jazz "for" Jogja
http://www.kompas.com/kompas-cetak/0606/22/Sosok/2754305.htm